静脈内鎮静法について
歯科治療のなかでも、外科処置が必要なインプラント治療。大がかりな外科処置が必要となると、怖さや緊張などでインプラント治療をためらっている方もいるのでないでしょうか。
当院では、インプラント治療の際に緊張や恐怖を和らげる、静脈内鎮静法が併用可能です。
本記事では静脈内鎮静法がどのような麻酔なのか、メリットや治療の流れや、注意点などをお伝えします。
インプラント治療を検討しているけれど、外科治療に不安のあるという方は参考にしてみてください。
静脈内鎮静法とは、静脈内に鎮静剤を点滴で投与する方法です。鎮静剤の効果により中枢神経の動きが鈍くなるので、恐怖感や緊張感和らげ、リラックスした状態になります。
通常、治療部位の局所麻酔だけだと痛みはなくなっても意識がはっきりしているため、手術をしているのが分かります。そのため外科治療が怖い方や、過去の歯科治療中に気分が悪くなってしまった方に効果的な治療法です。
静脈内鎮静法は全身麻酔と違って意識を失わないので、歯科医師やスタッフからの問いかけにも答えることができ、回復も早いため日帰りで治療がおこなえます。
静脈内鎮静法のメリットを3つお伝えします。
静脈内鎮静法を併用することで、リラックスした状態で治療が受けられます。そのためインプラント治療への恐怖心を感じずに治療が受けられます。歯科治療や外科治療に苦手意識のある方や、パニックになりやすい方に有効です。
静脈内鎮静法は健忘効果があるため、インプラント治療中の記憶が残りづらいです。治療中の振動や音の記憶が残らないので、インプラント治療がトラウマになることはないでしょう。また、治療にかかっている時間の把握もできないので、気が付いたら治療が終わっているという方が大半です。
静脈内鎮静法をおこなう際は、脈拍数、酸素飽和度、血圧などの全身管理をするため安全性が高いです。また恐怖心などがないため、心拍数や血圧も落ち着いた状態になるので、安定しやすいです。
インプラント治療に恐怖心のある方
過去の歯科治療中に気分が悪くなってしまった方
パニックに陥りやすい方
リラックスした状態でインプラント治療を受けたい方
物を口に入れると、嘔吐反射が起こりやすい方
長く口を開けていることにストレスを感じる方
持病がある方
上記のような方に静脈内鎮静法は効果的です。
インプラント治療での、静脈内鎮静法の流れについて紹介します。
1
インプラント治療の日に来院したら、問診をおこないます。その日の体調を確認したら、インプラント治療が実施できるかを判断します。
薬剤の量の調整など、インプラントの手術について最終確認をおこないます。当日の不安な点や、心配事がある場合は、お気軽にご相談ください。
2
生体情報モニターを準備し、患者様に装着します。
パルスオキシメーターや血圧計で、酸素飽和度や血圧、心電図などを確認するためです。
インプラントの治療中に常に、全身の状態が分かるようにしておきます。
3
腕の静脈内に、鎮静剤を少しずつ投与します。約10分程度で、リラックス効果があらわれます。鎮静剤はインプラント治療に適した意識状態に調整します。必要に応じて、薬剤の追加をおこないます。効果を確認したら、インプラント治療部位に局所麻酔をかけて治療が始まります。
4
インプラント治療が終わったら、点滴も終えます。静脈内鎮静法は点滴が終わったら、数分で意識が戻ります。
5
静脈内鎮静法が終わったら、眠気やふらつきがおさまるまで10~30分程院内で休憩します。体調に問題がなければ、これで終了です。
静脈内鎮静法でインプラント治療への恐怖心を和らげることはできますが、一方でデメリットもあります。
静脈内鎮静法をおこなう場合の注意点を3つお伝えします。
静脈内鎮静法は、局所麻酔のみのインプラント治療に比べて費用がかかります。
なぜなら静脈内鎮静法は保険適用外なのと、全身や機械の管理が必要になるからです。
静脈内鎮静法は、点滴を終えたら数分で意識は戻りますが、しばらく眠気を帯びたような状態になります。そのため麻酔当日の車や自転車の運転は控える必要があります。麻酔当日は運転や運動を控え、安静にしておきましょう。
静脈内鎮静法は多少のリスクがあります。薬剤の投与後に、血圧や呼吸の状態に影響がでることがあります。しかし先生が全身の状態をモニターで常に確認しているので、過度に心配する必要はありません。
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