インプラント周囲炎
インプラント周囲炎とは、インプラント周りの組織が歯周病菌によって炎症を起こす状態を指します。天然歯に比べてインプラントは炎症に対する抵抗力が弱いため、細菌に感染すると周囲の骨が急速に吸収されることがあります。インプラント歯周炎は自覚症状が少なく、気が付いたときには症状がかなり悪化していることも少なくありません。そのため、日々のお手入れと定期的なチェックで感染を防ぐことが重要になります。
インプラント周囲炎は、口腔内が不衛生な状態になり、歯周病菌が増えることによって発生します。そのため、毎日の歯磨きはもちろん大切ですが、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることも非常に重要です。また、糖尿病や喫煙習慣なども感染リスクを高める原因となるため注意が必要です。
糖尿病の方の場合、術後の傷の治りやインプラントが骨と結合する過程に影響を及ぼすことがあります。糖尿病は血糖値が不安定なとき、体の傷の治りが遅くなったり、感染症にかかりやすくなったりすることが知られています。このような状況はインプラントを取り付けた部分の骨との結合を弱め、結果としてインプラント周囲炎を引き起こしやすくする可能性があります。
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させたり血流を悪くしたりする作用があり、これがインプラント周囲炎の発症リスクを高める原因になります。タバコの成分が血管を収縮させることで歯肉や口腔内の組織への血液の流れが悪くなり、結果として歯周組織の健康状態が低下することでインプラント周囲炎を引き起こしやすくなります。
インプラント周囲炎の症状は通常の歯周病とよく似ています。特に初期段階では、赤み、腫れ、出血などの自覚症状がほとんどないため、自分では気づきにくいのが特徴です。
以下のような症状が現れた場合、早急に歯科医院を受診しましょう。
歯ぐきの腫れ
歯ぐきの出血
歯周ポケットが深くなった
インプラントがぐらつく
インプラント埋入部分からの排膿
日々の歯磨きは、歯に付着したプラークをしっかりと除去し、口腔内を清潔に保つために非常に大切です。プラークは細菌の集まりで、放置すると歯周病や虫歯の原因となります。そのため、正しいブラッシング方法でプラークを効果的に取り除くことが重要です。
インプラント治療が完了すると、その後はメンテナンス期間に入ります。手術直後の経過が良好でも、自宅でのセルフケアだけでは落としきれない汚れが時間とともに蓄積していくため、歯科医院でのチェックとクリーニングが必要です。歯やインプラントの周りに溜まったプラークや歯石を定期的にチェックすることで、初期のトラブルを見つけ出し、適切なケアや調整を行うことが可能です。
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